記録的興行収入、映画『ブラックパンサー』サントラも全米首位、主題歌「All the Stars」にケンドリック・ラマー


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2018年3月1日(木)全国ロードショー。「サントラも"最強"」、映画『グレイテスト・ショーマン』サントラの週間記録抜く。

マーベル・コミック史上初の黒人スーパーヒーローの実写化としても注目を集める映画『ブラックパンサー』(原題:Black Panther)が、先週16日金曜日(現地時間)より全米一般劇場公開。記録的な興行収入とともに北米を席巻するなか、今週、全米ビルボード総合アルバムランキング「Billboard 200」で、そのサウンド・トラック『Black Panther: The Album』国内盤ダウンロード版)が第1週154,000同等アルバムセールス(以下「ユニット」)を記録し、初登場第1位となったことが発表されました(※2018年2月24日付、Billboard)。

映画『ブラックパンサー』は、東アフリカ奥地の超文明国ワカンダを舞台に、その王位とブラックパンサーの称号を得たティ・チャラが、王国の最先端技術、ヒーローの超人的能力を駆使し、国の秘密を守るために黒ヒョウの装束と鋭い爪で敵と闘い活躍するスーパーヒーロー映画。最初の週末(3日間)で北米映画興行収入2億0180万ドル(約217.7億円)を記録し、2月公開映画としては、1億5220万ドルで首位となっていた2016年映画『デッドプール』を抜き、北米史上最高記録を樹立。

また最初の週末歴代興行収入ランキングでは、2015年映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2億4700万ドル)、2017年映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2億2000万ドル)、2015年映画『ジュラシック・ワールド』(2億800万ドル)、2012年映画『アベンジャーズ』(2億700万ドル)に続いて歴代第5位

さらにプレジデント・デーで祝日となった月曜日をあわせた最初の4日間の北米興行収入は、当初の予想を上回り、2億4200万ドル(世界4億2700万ドル)となり、最初の4日間の記録としては、映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2億4160万ドル)を破り、映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2億8800万ドル)に続いて、北米歴代第2位を記録(Deadline)。記録的な話題を呼ぶなか、国内ではいよいよ来月、3月1日(木)に全国ロードショーを迎えます。

マーベル初

監督には、マーベル映画初のアフリカ系アメリカ人監督となった、ライアン・クーグラー。キャストにはチャドウィック・ボーズマン、マイケル・B・ジョーダン、ルピタ・ニョンゴ、ダナイ・グリラなど、ほぼ全てのキャストが黒人に。

そしてそのサウンド・トラックでは、監督自らの依頼を受けた米ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)、そしてその所属レーベルTop Dawg EntertainmentのCEO(Anthony “Top Dawg” Tiffith)らを音楽プロデューサーに、同映画よりインスパイアされた劇中挿入歌またはエンドクレジット・ソング等のオリジナル曲には、レーベルメイトの米SZA(シザ)、米スクールボーイ・Q(Schoolboy Q)、米アブ・ソウル(Ab-Soul)、米ジェイ・ロック(Jay Rock)が参戦。

そしてヒップホップ・スターの米フューチャー(Future)、米2チェインズ(2 Chainz)、米トラヴィス・スコット(Travis Scott)、さらにR&Bスターの米ザ・ウィークエンド(The Weeknd)、米カリード(Khalid)など、豪華黒人アーティストらが集結し、18作品あるマーベル映画のサントラとしては史上初めて、映画よりインスパイアされ書き下ろされたオリジナル曲で構成。初登場第1位を飾ります。

『Black Panther The Album』トラックリスト
1.「Black Panther」Kendrick Lamar
2.「All The Stars」Kendrick Lamar and SZA
3.「X」ScHoolBoy Q, 2 Chainz and Saudi
4.「The Ways」Khalid and Swae Lee
5.「Opps」Vince Staples and Yugen Blakrok
6.「I Am」Jorja Smith
7.「Paramedic!」SOB x RBE
8.「Bloody Waters」Ab-Soul, Anderson .Paak and James Blake
9.「Kings Dead」Jay Rock, Kendrick Lamar, Future and James Blake
10.「Redemption Interlude」Zicari
11.「Redemption」Zicari and Babes Wodumo
12.「Seasons」Mozzy, Sjava and Reason
13.「Big Shot」Kendrick Lamar and Travis Scott
14.「Pray For Me」The Weeknd and Kendrick Lamar

All the Stars

同サントラのリード・シングル曲としてリリースされた「All the Stars」では、ケンドリック・ラマーとSZAが長年の息の合ったコラボレーション。「Humble.」、「Loyalty.」の米映像監督デイブ・マイヤーズ(David Meyers)が再びメガホンを取るミュージック・ビデオでは、その歌詞とともに、歴史のなかで奴隷貿易によりアフリカ人が世界各地に離散した「ブラック・ディアスポラ」(黒人の離散、black diaspora)、その新天地で西洋文化による侵略を受け、アフリカ文化・言葉、精神的故郷を失ったアフリカ人が、自らの魂の拠り所を宇宙に見出す思想「アフロフューチャリズム」(Afrofuturism)をも想起させる壮大な映像美に。星々が彩るアフリカ大陸は宇宙へ、ブラックパンサーの世界観とともに豪壮ながらスピリチュアルなイデアをも映し出します。

監督ライアン・クーグラーは「ティ・チャラは植民地化によって影響を受けていないアフリカ人の象徴的存在なんだ」、映画『ブラックパンサー』の隠された主題を明かします。西洋文明に侵食されず発展した王国ワカンダは、白人以外によって生み出されたユートピア。「我々が描きたかったのは、(ブラック・)ディアスポラの影響との対比なんだ。ディアスポラの大部分は、植民地化により影響を受け、アフリカ”系”アメリカ人となった」、「そうしたアフリカ人は植民地化」、「そして植民地化の最悪の形態である奴隷制度によって生まれたものだ」(米ワシントン・ポスト紙)。

そして今日のアフリカの見方、アフリカ文化が、植民地化により限定的となったことを受け、「私はアフロフューチャリズムがそうしたことへの答えのように考えている」、「アフロフューチャリズムは、古代の伝統的アフリカ文化の文化的側面と(植民地支配がなければ存在し得たであろう)潜在的未来をつなぐものなんだ」(Independent)。映画『ブラックパンサー』では、そうした「アフロフューチャリズム」の思想を、未来ではなく、現在に散りばめているといいます。

グレイテスト・ショーマン超え

今年サウンド・トラックが「Billboard 200」で第1位となるのは、2週連続で首位となった映画『グレイテスト・ショーマン』(原題:The Greatest Showman)サントラ『The Greatest Showman (Original Motion Picture Soundtrack)』(※2018年1月13、20日付)に続いて、2枚目に。

その週間記録では、154,000ユニットの映画『ブラックパンサー』のサントラが、106,000ユニットの映画『グレイテスト・ショーマン』(※2018年1月13付Billboard、20日は104,000ユニット/Billboard)を抜き、サントラとして今年最高の週間記録。182,000ユニットを記録した映画『スーサイド・スクワッド』サントラ『Suicide Squad: The Album』(※2016年8月27日付)以来、およそ1年半ぶりの記録となります。

「Billboard 200」チャートは、ストリーミングなど音楽利用の多様化をチャートに反映させるため、(1)従来のアルバム・セールス(フィジカル及びデジタルのアルバム購入数)に加え、(2)楽曲ダウンロード数をアルバム・セールスに換算する「TEA (track equivalent albums) 」(※10曲ダウンロード=1アルバム)、(3)楽曲ストリーミング数をアルバム・セールスに換算する「SEA (streaming equivalent album)」(※1,500ストリーミング=1アルバム)の総数で集計。

映画『ブラックパンサー』のサントラの内訳では、(1)従来のアルバム・セールスは52,000セールス、(2)楽曲ダウンロード数による「TEA」は9,000、(3)ストリーミング数による「SEA」は93,000となっており、(大方の予想通り)ヒップホップの特徴的な傾向であるストリーミング優位の展開で、第1位へ。一方、映画『グレイテスト・ショーマン』サントラは、従来のアルバム・セールスが78,000セールス(※2018年1月13付)で、アルバム自体を購入した数が圧倒的割合を占めて首位となっており、両者は正反対の特徴を示します。

Billboard 200

今週の「Billboard 200」では、NFL「第52回スーパーボウル」(Super Bowl LII)ハーフタイムショーの大役を務め、先週初登場第1位を獲得したジャスティン・ティンバーレイク(Justin Timberlake)の最新アルバム『Man of the Woods』が74,000ユニット(75%ダウン)で第2位。そして映画『グレイテスト・ショーマン』サントラが72,000ユニット(10%ダウン)で根強く第3位。

そして現地時間2月9日より全米一般劇場公開となった官能恋愛映画『フィフティ・シェイズ』三部作最終章、映画『フィフティ・シェイズ・フリード』(原題:Fifty Shades Freed)のサントラ『Fifty Shades Freed (Original Motion Picture Soundtrack)』が第5位を獲得。58,000ユニットの内、(1)従来のアルバム・セールスが36,000セールスとなり、第1位の2017年映画『フィフティ・シェイズ・ダーカー』(Fifty Shades Darker)サントラ、第2位の2015年映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(Fifty Shade of Grey)に続いて、トップ5入りを果たします。

これにより今週の「Billboard 200」では、3作品の映画サントラが同時にトップ10入りとなり、サントラが同時に3作品トップ10入りを果たすのは、1963年に統計を開始して以来、史上10度目。ここ10年では、2度のみとなる極めて稀な「Billboard 200」となったことが報じられます(Billboard)。

「Billboard 200」トップ10
第1位 サントラ『Black Panther: The Album』
第2位 ジャスティン・ティンバーレイク/Justin Timberlake『Man of the Woods』
第3位 サントラ『The Greatest Showman (Original Motion Picture Soundtrack)』
第4位 ミーゴス/Migos『Culture II』
第5位 サントラ『Fifty Shades Freed (Original Motion Picture Soundtrack)』
第6位 エド・シーラン/Ed Sheeran『÷ (Divide)』
第7位 ブルーノ・マーズ/Bruno Mars『24K Magic』
第8位 ポスト・マローン/Post Malone『Stoney』
第9位 ケンドリック・ラマー/Kendrick Lamar『DAMN.』
第10位 カミラ・カベロ/Camila Cabello『Camila』
※2018年2月24日付

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