アメリカン・ミュージック・アワード2018 テイラー・スウィフト最多4冠、ホイットニー・ヒューストンの歴代記録破る


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例年よりも一ヶ月早め、今年で46回目を迎えた音楽賞「アメリカン・ミュージック・アワード2018」(2018 American Music Awards)授与式が今週火曜日(現地時間10月9日)ロサンゼルスのマイクロソフト・シアターにて開催。カーディ・B、ポスト・マローン、カミラ・カベロ、デュア・リパ、エラ・メイをはじめ今最も熱い音楽界のトップスターらが華やかにレッドカーペットを彩ると、巨大なコブラのステージにテイラー・スウィフト(Taylor Swift)が炎のライブ・パフォーマンスで熱気に包み幕を開けた。


ABCで3時間に渡りライブ放送された今年のAMAs最大のハイライトシーンとなったテイラー・スウィフト。圧巻のライブ・パフォーマンスからアワードでは『Reputation Stadium Tour』で「ツアー賞」(Tour of the Year)、『reputation』で「Pop/Rockアルバム賞」(Favorite Album – Pop/Rock)、また「Pop/Rock女性アーティスト賞」(Favorite Female Artist – Pop/Rock)、そして「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」(Artist of the Year)を受賞し、最多4冠を果たした。これによりテイラー・スウィフトはAMAsで23度の受賞。これまで21度の受賞で女性アーティストとして歴代トップだったホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)の記録を破り、AMAs史上最多受賞の女性アーティストとなった。男性アーティストを含めると、24度受賞のキング・オブ・ポップ、マイケル・ジャクソン(Michael Jackson)に次いで第2位。

賞の最後を飾った「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」に輝いたテイラー・スウィフトは受賞スピーチで「私のことや私の音楽を気にかけてくれる人がいて、自分がどんなに幸せであるか実感しています」。「頂いた賞の一つ一つは、私にとって毎回違った意味を持っています」。グラミー賞とは異なり、アメリカの人々の投票によって決せられるAMAs、その最高賞を受賞し、「この賞は、より良きものへ一層努力し、全ての力を尽くし皆さんの誇りになれるよう私を奮い立たせ、頑張る力を与えてくれます。鼓舞するシンボルとなる素晴らしい賞を頂き、本当にありがとうございます」。投票によるアワードであることに言及した上で、「そして投票といえば、11月6日に中間選挙よね。投票に行きましょう、みんな愛しているわ」。

全米ツアーを終え「I Did Something Bad」の28歳は授与式前日、政治的沈黙を破り、1.12億人のフォロワーを有する自身のインスタグラムで自身のテネシー州の共和党女性候補者(Marsha Blackburn)を名指しで批判、民主党候補者(Phil BredesenとJim Cooper)の支持について初めて表明した。「私はこれまで、そしてこれからも、この国で私たちが等しく有すると信じる人権を守り、そのために闘う候補者に投票するわ」とテイラー・スウィフト。「私はLGBTQの権利のために闘うことを信じている。性的指向、ジェンダーに基づくいかなる差別も絶対間違ってるわ」。また人種差別が現在もあることに「恐ろしいことで、不快だわ」と述べた上で、「肌の色、ジェンダー、誰を愛するかに関わらず、アメリカ国民全員の尊厳のために闘おうとしない人には投票なんかできないわ」。

同投稿後24時間で最大65,000人のテネシー州有権者登録があったことをVote.orgのKamari GuthrieがBuzzfeedNewsに対して明かし、「テイラー・スウィフトのおかげだわ」。実際テイラー効果であったかは明らかではないものの、その大部分は18歳から29歳の若者であったという。中間選挙を巡っては、(奇しくも)カニエ・ウェスト(Kanye West)がドナルド・トランプ大統領を支持していた。トランプ大統領はテイラーの共和党候補者への批判的発言に対して、「テイラーの音楽が25%くらい好きじゃなくなったね」と反応、国内外のメディアが一斉にこれを報じた。

「Pop/Rockアルバム賞」を受賞した『reputation』について、テイラー・スウィフトはその受賞スピーチ(動画)で、「今回初めてタイトル・ファーストでアルバムを作りました。レピュテーションの全ての面、そして自分にとって一番大切なことに基づいて、”reputation”を書き上げました。変わりやすい世論(public opinion)に基づくことなく、変わらず私を愛してくれた友達や家族、そして愛する人に囲まれながら」。『reputation』のテーマに触れる一方、早くも次回作について触れ、「私はアルバムを自分の人生の章として捉えています」、「このアルバムを気に入ってくれてすっごくハッピーだけど、実を言うと、次の章に私はもっとワクワクしています」。

テイラー・スウィフトと並び今回大きな注目を集めたのは、黒とピンクのダーク・プリセンスなドレスでも魅せたカミラ・カベロ(Camila Cabello)。カーディ・B、デュア・リパ、カリードらを抑えて、「新人賞」(New Artist of the Year)に輝いた他、ヤング・サグ(Young Thug)との「Havana」で「コラボレーション賞」(Collaboration of the Year)及び「ビデオ賞」(Video of the Year)、「Pop/Rockソング賞」(Favorite Song – Pop/Rock)を受賞し、4部門の最多タイ受賞を果たした。


今回最多8部門ノミネートで最も注目を浴び、レッドカーペットではロイヤルウェディングな特大の花々のハットで登場したカーディ・B(Cardi B)は「Rap/Hip-Hopアーテスト賞」(Favorite Artist – Rap/Hip-Hop)、「Bodak Yellow (Money Moves)」で「Rap/Hip-Hopソング賞」(Favorite Song – Rap/Hip-Hop)、ブルーノ・マーズ(Bruno Mars)との「Finesse」で「Soul/R&Bソング賞」(Favorite Song – Soul/R&B)の3部門で受賞。一方最多タイノミネートながら今回欠席していたドレイク(Drake)は無冠となるも、ポスト・マローン(Post Malone)は『Beerbongs & Bentleys』で「Rap/Hip-Hopアルバム賞」(Favorite Album – Rap/Hip-Hop)、「Pop/Rock男性アーティスト賞」(Favorite Male Artist – Pop/Rock)の2部門で受賞を果たした。

カントリー部門では、ケーン・ブラウン(Kane Brown)が「カントリー男性アーティスト賞」(Favorite Male Artist – Country)、デビュー・アルバム『Kane Brown』で「カントリー・アルバム賞」(Favorite Album – Country)、「Heaven」で「カントリー・ソング賞」(Favorite Song – Country)の3部門でノミネーション全受賞。キャリー・アンダーウッド(Carrie Underwood)が「カントリー女性アーティスト賞」(Favorite Female Artist – Country)、フロリダ・ジョージア・ライン( Florida Georgia Line)が「カントリー・デュオ/グループ賞」(Favorite Duo or Group – Country)に輝いた。

Soul/R&B部門ではカリード(Khalid)が、ブルーノ・マーズとザ・ウィークエンド(The Weeknd)を抑えて「Soul/R&B男性アーティスト賞」(Favorite Male Artist – Soul/R&B)。今年6月に銃殺されたXXXTentacion(享年20歳)はデビュー・アルバム『17』で「Soul/R&Bアルバム賞」(Favorite Album – Soul/R&B)を受賞。本人に代わりトロフィーを受け取った母親は「AMAs、息子のファンの方々、そしてこの賞を可能にしてくれた全ての人に感謝しております。本当にありがとうございます」、涙ながら感謝の言葉を口にした。

EDMではマシュメロ(Marshmello)がザ・チェインスモーカーズ(The Chainsmokers)とゼッド(Zedd)を抑えて「EDMアーティスト賞」(Favorite Artist – Electronic Dance Music)。CCMからは、先月アルバム『Look Up Child』でクリスチャン・アルバムとしては約9年ぶりの最高セールスを記録したローレン・デイグル(Lauren Daigle)が「コンテンポラリー・インスピレーショナル・アーティスト賞」(Favorite Artist – Contemporary Inspirational)の受賞を果たした。

ライブ・パフォーマンス

今年のグラミー賞結果とは対照的に女性の活躍が目立った今回のAMAs。主要アワードではおよそ3年ぶりのパフォーマンスとなったテイラー・スウィフトの「I Did Something Bad」でキックオフした豪華ライブ・パフォーマンスでは、女性アーティストらが目を奪うステージと迫力のパフォーマンスで沸かせる一方、しっとり聞かせる感動のパフォーマンスでも魅了。今年7月に長女を出産後TV初のパフォーマンスとなったカーディ・Bは、バッド・バニー(Bad Bunny)とJ.バルヴィン(J Balvin)と共に「I Like It」を大胆なダンスで披露、火花散らすトロピカルなステージでラテン・ヴァイブを呼び込んだ。

一方マライア・キャリー(Mariah Carey)は女神の風格を漂わすゴージャスなピンクなドレスで登場。今年中にリリース予定の通算15枚目のスタジオ・アルバム(※タイトル未定)よりリード・シングル「With You」を披露し、クラシカルなディーヴァの歌声を響かせた。同ミュージック・ビデオはその翌日に公開された。

今年最もブレイクした一人、エラ・メイ(Ella Mai)はその全米ヒット曲「Boo’d Up」を披露、そのデビュー・アルバム『Ella Mai』は本日(10月12日)リリース。デュア・リパ(Dua Lipa)はサマー・ヒット「One Kiss」からシルク・シティ(Silk City)との「Electricity」。デュア軍団とともに雨に打たれるセクシーなダンス・ムーブで都会の夜を彩った。

“レジェンド”ジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)は今年12月公開予定の主演映画『Second Act』の最新シングル「Limitless」で女性の強さと無限の可能性を稲妻に走らせ、カミラ・カベロは『Camila』より、切ないピアノ・パラード「Consequences」をオーケストラをバックに深き愛の傷をエモーショナルに力強く歌い上げた。翌日には同曲のミュージック・ビデオを公開。自身の恋愛に基づいたパーソナルな曲では、元に戻れない失恋の傷と共にそれでも後悔なんかしていない、そんな愛の価値を込めているという。

一方シアラ(Ciara)はヴァイラルとなった「Level Up」でミッシー・エリオット(Missy Elliott)と共にシアターを揺らし、キャリー・アンダーウッドは「Spinning Bottles」で終わりの見えないアルコール中毒の闇を涙呼ぶ歌声で力強く響かせた。

男性アーティスト/グループでは、トゥエンティ・ワン・パイロッツ(Twenty One Pilots)がアルバム『Trench』より「Jumpsuit」。「アダルト・コンテンポラリー・アーティスト賞」(Favorite Artist – Adult Contemporary)の受賞を果たしたショーン・メンデス(Shawn Mendes)はゼッドを迎え「Lost in Japan」。ホールジー(Halsey)カリードは、3ヶ月で1億動画再生回数を突破したベニー・ブランコ(benny blanco)ヒット曲「Eastside」をMVなセットから披露。新たなヘアスタイルで登場したポスト・マローンタイ・ダラー・サイン(Ty Dolla $ign)との「Psycho」から「Better Now」で沸かせた。パニック・アット・ザ・ディスコ(Panic! at the Disco)はクイーン(Queen)の「Bohemian Rhapsody」をオーストラリアよりカバー。

アワード最後には、今年8月に亡くなった「クイーン・オブ・ソウル」アレサ・フランクリン(Aretha Franklin、享年76歳)へのトリビュートが捧げられ、友人でソウルのレジャンド、グラディス・ナイト(Gladys Knight)をはじめ、レデシー(Ledisi)、メアリー・メアリー (Mary Mary)、ドニー・マクラーキン(Donnie McClurkin)らがアレサ・フランクリンのルーツであるゴスペルで追悼。1972年のゴスペル・アルバム『Amazing Grace』より、「Amazing Grace」、「Climb Higher Mountains」、「Mary, Don’t You Weep」、「How I Got Over」を歌い上げその幕を下ろした。なお現在公開されているライブ・パフォーマンス映像、受賞者リストは以下の通り。

American Music Awards 2018 – Winners

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