ホイットニー・ヒューストン、48歳でこの世を後に


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ホイットニー・ヒューストン米公式サイト

マイケル・ジャクソンにエイミー・ワインハウス、この世を去るには若すぎる世界のスーパースターがまた世界の衝撃と深い悲しみの中、48歳という若さでこの世を後にしました。

米国時間2月11日、翌日のグラミー賞授賞式出席のため米カリフォルニア州ビバリーヒルズのホテル「ビバリー・ヒルトン」に滞在していた米ポップ界を代表する歌手ホイットニー・ヒューストン(Whitney Houston)が同ホテル内で死去したことが、広報担当者の発表により明らかになりました。

(記事)”Whitney Houston Dies at 48” on Billboard

米各メディアが報じている情報によると、滞在中の4階客室のバスタブ内で意識不明になっているホイットニー・ヒューストンを、彼女の警備にあたっていたボディガードが発見。その後、地元警察によると、11日午後3時23分にホテルのセキュリティからの「911」の緊急通報を受けて、すぐさま駆けつけた救急隊が緊急蘇生措置を試みたもののすでに反応がなく、午後3時55分、死亡が確認されました。

(記事)”Whitney Houston Dead at 48” on Hollywood Reporter

同市警は「現場で犯罪性を示す明らかな証跡が認められない」ことを明らかにしているものの、同室は犯罪現場のテープが貼られ、現在死因を調査中。

(記事)”Whitney Houston’s Body Remains At Hotel Hours After Death” on Idolator

米メディアで報じられたところによると、現場にはアルコールを摂取した痕跡がないものの、薬の処方箋が見つかっていることが報じられています。

(記事)”Prescription Pills Found in Whitney Houston’s Hotel Room, Singer May Have Drowned in Bathtub” on PopCruch

米各メディアの情報によると、ホイットニー・ヒューストンは死亡の20〜35分前に自身の母と電話で話をしており、その電話では、同日夜にクライヴ・デイヴィス主催で開催されるグラミー賞授賞式の前夜パーティー「Clive Davis’s Grammy eve gala」の席の話や普段の何気ない会話を交わし、特に普段とは変わらない様子だったとのこと。また死亡数時間前にホイットニー・ヒューストンと会って話をした、いとこのディオンヌ・ワーウィック(Dionne Warwick)もホイットニー・ヒューストンがいつもと変わりない様子であったことを明かしています。

誰よりも若い世代の数多くのアーティストに多大な影響を与えたホイットニー・ヒューストン、彼女の訃報を受けた世界中のアーティストから次々にその深い悲しみの声が寄せられていますが、その中の一人、マライア・キャリーは以下のようにツイッターを通じてコメントしています。

私の友人であり、そして比類のないホイットニー・ヒューストンさんの衝撃的な死に、悲しみで心が打ち砕かれ涙がとまらないわ。ご家族の方、そして世界中の何百万人ものファンの皆様に、心から哀悼の意を表します。この神様の恵みである地球でいまだかつてない最も素晴らしい歌声の歌手として、決して忘れられることはないわ。

Heartbroken and in tears over the shocking death of my friend, the incomparable Ms. Whitney Houston. My heartfelt condolences to Whitney’s family and to all her millions of fans throughout the world. She will never be forgotten as one of the greatest voices to ever grace the earth.

@MariahCarey

「How Will I Know」「Saving All My Love for You」そして映画『ボディガード』主題歌「I Will Always Love You」等今も世界自由の人々に愛され続ける数々の名曲を生み出し、映画『ボディガード』のサウンドトラックでは、米ビルボード「Billbord 200」女性アーティストとしては史上最長第20週の第1位記録を樹立したホイットニー・ヒューストン(※2012年6月14日追記、現在英国歌姫アデルの記録的ヒットアルバム『21』が「Billbord 200」通算24週第1位を記録し、女性アーティストとしてはアデルが最多首位獲得アーティストに)。

アルバム『Whitney Houston』では第14週第1位アルバム『Whitney』では第11週第1位を記録するなど、「Billbord 200」で10週以上の第1位記録最多3枚で達成した(今でも)唯一の女性アーティストとなり、6度ものグラミー賞受賞など数々の多大なる功績と共に、米ポップ界のクイーンとしてその洋楽史を築きあげてきました。

しかし、80年代、90年代の絶頂期のさなか、92年に結婚したR&B歌手ボビー・ブラウンによる家庭内暴力問題やその後の薬物依存、そして2006年の離婚、2012年の破産報道等、メディアの注目はやがてそのダイナミックなパワーあふれる力強い美しい歌声から、スキャンダルにゴシップへと移り変わっていきます。

そうした中、96年の映画『天使の贈り物』以来およそ15年ぶりとなるホイットニー・ヒューストン出演の映画『スパークル』(原題:Sparkle)の完成が報じられたのはつい先日のことでした。

映画『スパークル』は、映画『ドリームガールズ』のモデルともなった米人気グループ、ザ・スプリームス(The Supremes)をモチーフにした1976年の同タイトル映画のリメイクで、田舎の教会のコーラスで歌う3人黒人姉妹が苦悩と挫折の中で立派な歌手へと成長していく姿を描いた映画。

ストーリーの中心となる3人の姉妹のスパークル役を演じる主演の『アメリカン・アイドル』ジョーダン・スパークス(Jordin Sparks)は、過酷な状況の中で彼女らを励まし続ける母エフィ役のホイットニー・ヒューストンとクラシックなゴスペルソング「Eyes on the Sparrow」でデュエット。

(記事)”Exclusive: Whitney Houston’s Last Songs to Be Featured in ‘Sparkle’ Film” on Billboard

またエンド・クレジットではホイットニー・ヒューストンが歌う「Celebrate」が流れる予定で、ホイットニー・ヒューストン最後のレコーディング・ソングとなる「Eyes on the Sparrow」「Celebrate」はすでに収録を終えており、映画『スパークル』は8月に全米で公開される予定です。

(記事)”Whitney Houston’s Final Film, ‘Sparkle,’ to Be Released This Summer” on PopCruch

ホイットニー・ヒューストンが最期にその歌声を披露したのは、亡くなる前日(2月10日)の米R&B/ソウルシンガー、ケリー・プライスらによるプレ・グラミー・コンサート「Kelly Price & Friends」でのこと。

(記事)”Whitney Houston’s Last Performance: Singer Sang ‘Yes, Jesus Loves Me’ Night Before She Passed ” on TheHuffingtonPost.com

最期となるそのステージでホイットニー・ヒューストンが歌ったのは「Yes, Jesus Loves Me」でした。

心から悔やまれる突然の悲報に、胸がしめつけられるような思いですが、そんな偶然とは思えないような彼女の最期の歌を聞くと、不思議とホイットニー・ヒューストンが、彼女を愛するその神様のもとで、安らかに幸せな時を過ごしている姿が目に浮かびます。

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