キアン・デュクロ、デビュー・アルバム『Victory』全英初登場首位 ヒット曲「All for You」、「I’ll Be Waiting」収録


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TikTokで反響を呼んだエモーショナルなバラード「All For You」をはじめ、心に刺さる美しく切ないバラード「I’ll Be Waiting」など、これまでにストリーミング総再生回数は世界5億回を超えるアイルランド・コーク生まれの25歳シンガーソングライター、キアン・デュクロ(Cian Ducrot)。そのデビュー・アルバム『Victory』(Apple Music / Spotify / Amazon Music / CD )が今日発表の全英アルバム総合チャート(Official Albums Chart Top 100)で首位争いの接戦を制して、初登場第1位を獲得した(※2023年8月17日付 / The Official Charts)。また母国アイルランドのアルバムチャートでも初登場首位を記録、さらにスコットランドのアルバムチャートでも初登場首位を記録した。

「人生の夢」だったというデビュー・アルバムのリリース、そのアルバムが首位となる快挙を受けてキアン・デュクロは「イギリスでナンバー1! 言葉にできません、本当にありがとう、泣きそうです! アルバムを買ってくれた皆さん、本当にありがとうございます。何と言っていいかわかりません、かけがえのないものです。皆さんを愛しています。本当にクレイジーです。なんて年なんだ」と感謝と喜びをコメント。

ポリドール・レコード(Polydor Records)より2023年8月4日にリリースされた『Victory』には、全英シングル最高第19位(※2022年10月20日付, 11月24日付)となった愛の心痛を歌うリード・シングル「All For You」、愛する人を待ち続ける想いを力強く歌うバラードで自身最高位となる全英シングル第16位(※2023年3月2日付)を記録した2ndシングル「I’ll Be Waiting」をはじめ、兄へ捧ぐ「Heaven」、命を絶った友人への想いを綴った「Part of Me」など全14曲を収録。自身の人生、家族、生い立ちと深く絡み合った曲で構成され、Apple Musicで「このアルバムを自伝の最初の数章にしたかったです」とデュクロ。

ソングライターの他、自身が11曲の音楽プロデューサーも務める『Victory』は崩壊した家庭、父から受けた虐待、その人生を立て直す中で深めた母親や兄との愛と絆を通して、デュクロ自身の子供時代と成長を振り返りながら、愛、人間関係、痛みと癒やしを熟考し、乗り越えられない困難に直面したときの”勝利”を、心揺さぶる歌声で描く。

クラシカルな美しいメロディとモダンなポップ・サウンドをベースにした曲集は、ロックやヒップホップ音楽からも強い影響を受けたアルバム。その曲を書くに当たってデュクロは、「最初の段階ではエド・シーラン(Ed Sheeran)の1stアルバムであれ、ホージア(Hozier)、ザ・スクリプト(The Script)、ジェフ・バックリィ(Jeff Buckley)であれ、そこからコールドプレイ(Coldplay)が多くなり、さらにそこからストームジー(Stormzy)やジャック・ハーロウ(Jack Harlow)のヒップホップが多くなり、自分が好きな音楽から影響を受けました」と明かす。

タイトル・ソングがオープニング・トラックとなっており、「Victory」についてデュクロは「この曲の意味が、収録曲の多くに含まれているように感じました。アルバム自体に関して、”Victory”は私にとって多くのことを意味します。自分の人生、人生の物語、私が経験してきたこと、それぞれの人の勝利を達成できるよう人々を鼓舞するアルバムを作ること、 そして自分自身を信じること。 自分の勝利を祝い、名前を付け、それを見て感謝することが大切であると人々に気づいてもらう力になるものを作りたかったです」。

深い共感を呼び感動・涙の声が寄せられているバラード「I’ll Be Waiting」は、Spotifyでは1億3000万回近く再生され、現在Spotifyでデュクロの曲では最も人気を集める。同曲についてデュクロは、「私にとって、この歌は子供時代について書いた曲で、父が迎えに来るのを待っていたのに来なかったという思い出に基づいています。 その日は私の人生においてとても特別な瞬間だったことを覚えています。小さい頃は憤りがっかりしましたが、大きくなるにつれ、あの人は悪い人だったと知っていきます」、「彼はひどい人でした。でも子供というものは、それでも父親に気にしてほしいと思うものです。」

「I’ll Be Waiting」のミュージック・ビデオはデュクロ自身が監督を務め制作。兄妹の絆を通して父親との関係、苦悩と葛藤、色褪せぬあの頃の願いを炙り出す。

心を掴んで離さないソウルフルな「All for You」は、失った人への後悔、痛み、愛と願いを綴ったバラード。デュクロは、「私にとって、この曲はたくさんの意味を持っていて、それが何なのかについてはあまり話したことはありませんでしたが、皆さんのそれぞれの歌にしてほしいと願っている歌です。」

「特に一つだけこの曲について話すとすれば、人生には、もっとできたかもしれない、もっと何か言えたかもしれない、もう一度その人に電話できたかもしれないと感じる状況がたくさんあります。 何らかの形で誰かを失ったとき、振り返ってみると、あと1日、もう少し時間があればよかったのにと願ったり、あるいはあの人のためにもっと何かしてあげればよかったのにと思うことがよくあります。 あるいは、状況を変えるためにもっと何かをできたのにと思うことがよくあります」

歌詞としては失恋を描いているように捉えられるが、英Luke Logan-Malik映像監督が監督を務めコークとその近郊で撮影されたそのミュージック・ビデオでは、ひねりを加えアイルランド式の哀傷の物語を描く。同曲はエラ・ヘンダーソン(Ella Henderson)を新たに迎えたバージョンもシングル・リリースされている。

ヒットメーカー、スティーヴ・マック(Steve Mac)がプロデュース、高揚感・多幸感に満ちた「Heaven」は、4歳の頃自転車で転んだ時に「大丈夫だよ」と言ってくれた人、5歳の頃母親がいない時にそばにいてくれた人、そして10歳の頃親友だった人との関係を描いた作品。「あなたは決して笑わなかった/それが彼のせいだと知っている/あなたはどんな子供よりも多くの痛みを背負っていた」。同曲についてデュクロは、「これは私が兄のために書いた曲です」、「それは兄への感謝の気持ちを歌にしたものです」、「この歌があれば、彼が私にしてくれた全てのことに、そして私たちが若かった頃そばにいてくれたことに感謝を伝えることができます。 彼はずっとそばにいてくれました。」

フランス人の母親(Sabine Ducrot)はピアニストでフルート奏者(Triskel Arts Centre)。シングルマザーの母親の影響を受け音楽に囲まれて育ったデュクロは9歳の頃からCITコーク・スクールでフルートを学び始めた。18歳で給付奨学生として音楽の名門校として知られるウェルズ大聖堂スクール(Wells Cathedral School)に入学し2年間学び一般教育修了上級レベル(Aレベル)を取得、その後給付奨学生としてロンドンの王立音楽アカデミーで学ぶも、2019年に招待されたLAでのアーティストのサマーキャンプをきっかけにフルート奏者の道からポップ・ミュージックの道への転身を決意し、王立音楽アカデミーを中退(The Line Of Best Fit)。資金難のなか、路上ライブ、複数の仕事を掛け持ち、寝所を転々としながら曲作りを学び、夢を追い続けた。デビュー・アルバム『Victory』のリリースに際して、キアン・デュクロは次のように自身のSNSで語っている。

「このアルバムを理解してもらうためにはまず、私の人生、生い立ち、私がどんな子供だったのかについて知ってもらう必要があることがいくつかあります。 物語の始まりは幼い頃の壊れた家庭でした。母、兄、そして私はチームとなり、音楽が私たちの救世主でした。 そのおかげで私たちは精神的にも救われましたが、同時に母が文字通りテーブルに食べ物を並べられるようになりました。」

「私は父から身体的にも性的にもひどい虐待を受けて育ち、母は兄と私を守り、父から遠ざけるために懸命に戦っていました。 それは簡単なことではなく、何年にもわたる闘いと忍耐が必要であるように思えました。 今日の私があること、母に感謝しています。」

「ソングライターになるために大学を中退したとき、誰も私を信じてくれなかったとき、私は私たちの過去を振り返りました。そして母を外国人として歓迎しないだけでなく、男性優位である社会の中で、母がシングルマザーとして、兄と私を育てるためになんとかしてくれたすべてのことを振り返りました。私は彼女にこう尋ねたのを覚えています。”どうやってやったの? お金がなく、養う2人の子供がいて、どうやってその強さを見つけたの?”と」。

「母はシンプルにこう答えました。”そうするしかない、だからなんとかしたの”。 これほど感動的な言葉を人生で聞いたことはありませんでした。 今も私はどこにいてもその言葉を心に刻んでいます。 どんなに道が険しくなっても、歌を聞いてもらうためにどれだけ戦わなければならなかったとしても、私は決して諦めませんでした。 私には夢がありました。戦う価値がある夢です。だから私はどんなときも、自分自身を信じてきました。」

「このアルバムはその勝利、自分を信じることの勝利を表しています。そして私が愛し、私を愛してくれた周りの人々の勝利、私の兄、母、祖父母、友人、そしてどんな時も共に戦ってくれたすべての人たちの物語を表しています」。「愛の勝利であり、決して諦めないことの勝利です」。「このアルバムを、そうしたすべての人々と素晴らしいファンの皆さんに捧ぎます。私たちは生き抜いてきました、そしてこれからも生き抜いていきます。私たちへ。これがVictoryです」。



■ Official Albums Chart Top 100 / 全英アルバムチャートTop 100

順位アルバムアーティスト
1位Victoryキアン・デュクロ
Cian Ducrot
2位Smileスキンドレッド
Skindred
3位-2UTOPIAトラヴィス・スコット
Travis Scott
4位People Like Me & YouThe Sherlocks
5位One Man BandMiles Kane
6位TimelessN-Dubz
7位-3The Highlightsザ・ウィークエンド
The Weeknd
8位0Midnightsテイラー・スウィフト
Taylor Swift
9位-2Diamondsエルトン・ジョン
Elton John
10位-5Speak Now (Taylor’s Version)テイラー・スウィフト
Taylor Swift
※【出典】11 August 2023 – 17 August 2023 / The Official Charts
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