テイラー・スウィフト(Taylor Swift)が、通算9枚目となるスタジオ・アルバム『evermore』(エヴァーモア / ダウンロード版, 各ストリーミング)を今日サプライズ・リリース、リード・シングル「willow」のミュージック・ビデオが併せて公開された(現地時間12月11日)。2020年7月24日にサプライズ・リリースされた前作『folklore』から5ヶ月が経たぬなか異例のリリースとなったニュー・アルバム『evermore』は、『folklore』の「姉妹アルバム」と位置づけられ、続編となっている。
深遠なファンタジーの世界に迷い込む「cardigan」のミュージック・ビデオのラスト・シーンから新たな幕を開けるニュー・シングル「willow」のミュージック・ビデオは、テイラー・スウィフトが映像監督を務め制作。黄金に輝く糸に導かれ再びピアノの中の世界に入るテイラー・スウィフトは、幻想的な深い森のさらに奥へと足を踏み入れていく。
『folklore』(”伝承、言い伝え”)の世界観を継承する『evermore』には、テイラーにとって「音楽の家族」の存在であるというジャック・アントノフ(Jack Antonoff)が『1989』、『Reputation』、『folklore』に続いてプロデューサー/ソングライターに加わっている他、『folklore』で初めて迎えたザ・ナショナル(The National)のアーロン・デスナー(Aaron Dessner)がプロデューサー/ソングライターに再び参加。また『folklore』に続いて“William Bowery”がコー・ライター(「champagne problems」)に加わっている。William Boweryはテイラー・スウィフトの恋人で俳優のジョー・アルウィン(Joe Alwyn)のペンネームであることをテイラー本人が明らかにしている。
「あなたがどんな道に迷い込んでも、私はあなたについていく/お願いだわ、私の手をとって/私の予定を狂わせる、それでこそ私の人」。かつての人生を「あなたの風」に翻弄される柳に例えながら、揺るぎない想いを詩的な歌詞と穏やかなサウンドで描く「willow」はテイラー・スウィフトとアーロン・デスナーがコー・ライト。そのタイトルには、”William Bowery”の文字も隠れている。
同曲についてテイラー・スウィフトはミュージック・ビデオのYouTubeチャットで、「『willow』は、策略(intrigue)、渇望(desire)、そして誰かを欲しくなることの複雑性(complexity)を歌った曲。恋に落ちるよう相手に魔法をかけるような歌だと思うわ」と語っている。そのミュージック・ビデオで、”まるでウェディングドレス”とファンらから声が寄せられる白いドレス姿で歌うテイラーは、ステージで運命的な出会いを果たす。しかしガラスのショーケースの中で歌う彼女は彼に触れることができない。結ばれぬ恋から彼女は森の中、魔女風の黒装束姿の人々と共に謎に包まれた儀式を行う。黄金の糸を辿り再びピアノの中から部屋に戻ったテイラーは、その運命的な相手と再開し、二人は手を取り合いデイライトの眩い光に包まれる世界へ踏み出す。
テイラー・スウィフトは自身のSNSで『evermore』を現地時間2020年12月10日朝に発表し、「9枚目のアルバム、『folklore』の姉妹アルバムを皆さんに発表することをとても幸せに思います」、「タイトルは『evermore』。簡潔に言うと、曲を書くのがやめられなかったからです。詩的に表現するならば、フォークロアの森の端に立っていて、2つの選択があるような感じでした。ここで戻るのか、それともこの音楽の森へとさらに旅に出るのか。私たちはもっと深く迷い込むことを選びました」。
1年のうちに2作のスタジオ・アルバムをリリースしたテイラー・スウィフトは「私にとってこうしたことは初めてのことです。これまで私は1アルバム1時代として扱ってきて、アルバムがリリースされた後は次の時代のアルバムの計画へ移行してきました」。『folklore』は特別なものだったといい、今回姉妹アルバムをリリースした理由についてテイラーは、「こうした想像上の/非架空の物語の中で見つけた現実逃避が大好きでした。夢のような情景や悲劇、愛と喪失の壮大な物語を皆さんが歓迎してくれて、それぞれの人生の歌にしてくれたことがすごく嬉しかったです。だから書き続けることにしました」。
明後日12月13日に31歳になるテイラー・スウィフトはこのタイミングでのリリースに、「13歳の頃から、私は31歳になるのを楽しみにしてきました。逆にすると、私のラッキーナンバーになるからです。だから今、皆さんにサプライズしたかったのです。皆さんは私の誕生日をとても気遣い、応援してくれ、温かく祝ってくれました。だから今回は私が何かをしたいと思いました!」また新型コロナウイルスの感染拡大のなか、「今年のホリデー・シーズンは私たちにとって寂しいものになります。もし愛する人と会えない恋しさを私のように音楽で癒やす人がいたら、このアルバムをあなたに捧げます」。
全15曲収録の『evermore』には、ハイム(HAIM)を迎えた「no body, no crime」、ザ・ナショナル(The National)との「coney island」、そして前作に続いてボン・イヴェール(Bon Iver)との「evermore」などコラボ曲を収録。CDデラックス盤にはボーナス・トラック「right where you left me」、「it’s time to go」の2曲を追加。トラックリストは以下の通り。国内盤CDは2021年1月にリリース予定となっている。
アルバム『evermore』収録曲
1. willow
2. champagne problems
3. gold rush
4. ’tis the damn season
5. tolerate it
6. no body, no crime (feat. HAIM)
7. happiness
8. dorothea
9. coney island (feat. The National)
10. ivy
11. cowboy like me
12. long story short
13. marjorie
14. closure
15. evermore (feat. Bon Iver)
16. right where you left me *
17. it’s time to go *
* CDデラックス盤ボーナス・トラック