カナダの年間最優秀アルバムを表彰する権威あるポラリス音楽賞を史上初めて2度受賞、カナダのグラミー賞にあたるジュノー賞で最優秀先住民族音楽アルバム賞を受賞するなど、カナダ音楽界に新風を巻き起こしているカナダ東部ニューブランズウィック州出身のレコーディング・アーティスト兼作曲家ジェレミー・ダッチャー(Jeremy Dutcher)が初来日し、2025年8月4日(月)に東京 武蔵野公演、8月11日(月・祝)に兵庫 神戸公演を行う。
またこのジャパン・ツアー2025でジェレミー・ダッチャーはEXPO 2025 大阪・関西万博で開催される8月6日(水)、8日(金)、9日(土)の「CANADA・ライブ!」に出演しライブ・パフォーマンスを行う(カナダ@2025年大阪・関西万博)。
現在トロント在住のダッチャーは、ニューブランズウィック州北西部と米メイン州との国境付近の農村部に住む先住民族ウォラストクイク族(Wolastoqiyik、別称マリシート族 / Maliseet)のメンバー。何千年にもわたりウォラストクイク族の生活、文化、精神性を育んできウォラストク川(別名セント・ジョン川)と、トビーク川が合流する川沿いの美しい場所であるウォラストクイク族最大の居留地トビーク・ファースト・ネーション(Tobique First Nation / Neqotkuk)でダッチャーは生まれ育った。
ウォラストクイクとは「美しい川の民」、太古の昔からこの伝統的な土地に居住してきた人々を意味する。
長老で歌の伝承者でもあるマギー・ポールから伝統的な歌曲を学びながら、ダルハウジー大学でクラシック音楽と人類学を学び、オペラのテノール歌手として訓練を受けたダッチャー。クラシック音楽と民族の伝統的な音楽要素に、ジャズやモダンなポップ・サウンドを取り入れながら、オペラの優雅な力強さとウォラストクイクの神秘的な美しい響きを融合させ、時間と空間を超越した音楽を編み出し、祖先の言語と音楽を現代に力強く蘇らせる。
1stアルバムの曲を制作するために、ジェレミー・ダッチャーは2012年、長老マギー・ポールの助言に従いカナダ歴史博物館に保管されている人類学者ウィリアム・メクリングが1907年から1914年にかけて先住民コミュニティに滞在し蝋管に録音したウォラストクイク音楽の100本以上のコレクションや、言語・文化が記録された膨大な記録資料を研究した。
ダッチャーはその祖先たちが110年前に歌い、太鼓を叩き、踊り、笑い声を響かせていた録音に心を打たれ、特に「漁師と水の精霊」と訳される歌に心を動かされたという(National Music Centre)。カナダ政府によって先住民族の多くの伝統的慣習が禁止されていたため、蝋管録音は棚に置かれたままだったが、歌い手として、ダッチャーは彼らの声を生き続けさせようと決意した。
スタジオに入り、ダッチャーは110年前に記録された最古の蝋管録音から祖先の音楽を転写し、若い世代にも親しみやすくウォラストクイク族の伝統的な物語、歌、文化への関心を喚起するためにポスト・クラシカル、ポップスなどと融合して大胆に再構成し、2018年4月、5年間の研究と制作を経て1stアルバム『Wolastoqiyik Lintuwakonawa』(”美しい川の人々の歌”の意)を完成させた。
ルーツを守りたいという思いから生まれた同作では、蝋管録音にあった祖先の声など録音の一部をサンプリングし、メロディーは蝋管録音から採録し声楽、ピアノ、弦楽四重奏のために編曲され、祖先との時を超えた”コラボ”作品へと昇華させた。絶滅の危機に瀕しているウォラストク言語の復興・伝承と先住民の若者に言語の重要性を訴えるため、歌詞は全てウォラストク語でレコーディングされた。
現在、ニューブランズウィック州、ケベック州、米メイン州の先住民コミュニティには、約1万人のウォラストクイク族が暮らしているが、先住民文化の抑圧からダッチャーによるとウォラストク語を流暢に話せる人は100人にも満たないという。
英語中心のカナダ音楽の常識を覆す革新的なこの作品は大きな反響と高い評価を集め、2018年にカナダで最も優れたアルバムに贈られるポラリス音楽賞(Polaris Music Prize)を受賞。2019年にはカナダ全土を巡るツアーが実現し、多くの公演でソールドアウトを記録、グランドピアノを弾き歌うダッチャーの力強い歌声は、観客の心を震わせ、会場は感動とスタンディングオベーションに包まれた。
同年、カナダ音楽界の最高栄誉となるジュノー賞授賞式で同作は最優秀先住民族音楽アルバム賞を受賞した。この成功が、世界最高峰のチェリスト、ヨーヨー・マ(馬 友友、Yo-Yo Ma)やカナダのシンガーソングライター、レスリー・ファイスト(Leslie Feist)といった世界的アーティストとの共演へとつながっていった。カナダの人々に国の歴史や和解について語り合うきっかけを与えてきた活動家でもあるダッチャーは、ジュノー賞の受賞スピーチでカナダ政府に真実と和解について行動を起こすよう呼びかけた。
2023年10月、ダッチャーは2ndアルバム『Motewolonuwok ᒣᑌᐧᐁᓓᓄᐧᐁᒃ』をリリース。前作とは異なり、幅広いリスナーに向けウォラストク語と英語の両方の曲が収録された。これはウォラストク言語の復興への願いと単なる保管記録として分類されたくないという思いの中で生まれたもので、ウォラストクイク族の伝統歌への深い敬意とともに、クラシック、ジャズ、ポップの影響を融合させ、遊び心ある実験的なサウンドと現代への抵抗という社会運動の緊張感・切迫感をも融合させながら、より革新的な自身初の完全オリジナル曲で構成された作品となっている。
このアルバムは2024年のジュノー賞で年間最優秀アダルト・オルタナティブ・アルバム賞にノミネートされた他、2024年のポラリス音楽賞を受賞し、ダッチャーはポラリス音楽賞を史上初めて2度受賞したアーティストとなった。
失われかけた先住民族ウォラストクイク族の言語・文化の復興・伝承を目的に始まり、ファースト・ネーションの音楽をメインストリームへと昇華させる道を切り開いたダッチャーは、先住民族として、トゥー・スピリットの歌い手として、西洋的思想や固定観念にとらわれず、自由に生きる姿を歌を通して現代の人々に伝える。その魂を揺さぶる情熱と穏やかな癒やしに包む祈りのような神秘的な響きを行き来し魅惑する他に類を見ないダッチャーの音楽を超えた美しさをこの夏、ぜひライブで体感を!

Jeremy Dutcher Japan Tour 2025
■大阪・関西万博
2025年8月6日(水) 19:30 ポップアップステージ南(地図)
2025年8月8日(金) 19:30 ポップアップステージ東内(地図)
2025年8月9日(土) 19:00 カナダパビリオン(地図)
プレゼンター:Canada’s National Arts Centre
詳細:カナダ@2025年大阪・関西万博『CANADA・ライブ! Jeremy Dutcher』
■東京 武蔵野公演
開催日 : 2025年8月4日(月)
開催時間: Open 18:30 / Start 19:00
会場 : 武蔵野市民文化会館 小ホール
東京都武蔵野市中町3-9-1
料金 : 一般 3,500円
予約 : 4/5(土) 10:00発売
チケット :公益財団法人武蔵野文化生涯学習事業団
主催:公益財団法人武蔵野文化生涯学習事業団
お問合せ :武蔵野文化生涯学習事業団 TEL. 0422‐54‐2011
■兵庫 神戸公演
開催日 : 2025年8月11日(月祝)
開催時間: Open 15:30 / Start 16:00
会場 : 神戸 100BANホール
神戸市中央区江戸町100
料金 : 全席自由(整理番号順入場)
前売 一般 5,000円 / 学生(大学生まで) 2,500円
当日 一般 5,500円 / 学生(大学生まで) 3,000円
※未就学児の入場はご遠慮頂いております。
予約 : 4/5(土) 10:00発売
チケット :イープラス / Harmony Fields
主催:Harmony Fields
後援:カナダ大使館
お問合せ :Harmony Fields 0798‐55‐9833