人気急上昇中!豪カントリー3姉妹ザ・マックライモンツ(The McClymonts)


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オーストラリアの”ホット“な3人姉妹からなるカントリー・デュオ・グループ、ザ・マックライモンツ(The McClymonts)の2ndスタジオ・アルバム『Wrapped Up Good』がオーストラリアで今年1月15日にリリースされましたが、そのアルバムがリリース以来好調をキープし、豪iTunes総合アルバムチャート第1位を記録、オーストラリアの主要音楽チャートARIAチャート総合アルバムランキング(ARIA TOP 50 ALBUMS CHART)では自身初となる最高第2位を記録、また「カントリートップ20」部門(ARIA TOP 20 COUNTRY CHART)では、テイラー・スウィフトの『Fearless』を抜き第1位を獲得、リリースから2ヶ月経った今もレディ・アンテベラム(Lady Antebellum)のアルバム『NEED YOU NOW』を抜いてテイラー・スウィフトの『Fearless』等に次ぎ第3位をキープしており、さらに現在オーストラリアで開催しているオーストラリア・コンサート・ツアーのチケットが即完売するなど異例の話題となっているようです。

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批評家らの高い評価を受けながらもARIAチャートでは37位にとどまった前作のデビュー・アルバムとは異なり、今回のニュー・アルバムで大躍進を遂げ、一躍オーストラリアのカントリー市場を揺るがすグループに成長したザ・マックライモンツ。オーストラリアのカントリー・ミュージックということで日本ではあまり話題とはなりませんが、個人的にも非常に好きなカントリー・グループで、ニュー・アルバムが地元オーストラリアで大きく反響を呼んでいましたので今回ピックアップしてみました!

オーストラリアのディクシー・チックス」ともいえるグループですが、3姉妹ということもありDNAが共鳴する美しすぎるハーモニーは勿論、ヴォーカルの長女ブルックのハスキーで艶美ながら包容力のある温かい歌声は一度ハマってしまうと癖になる、そんな独特な魅力のあるグループといえそうです。

ザ・マックライモンツ(The McClymonts)のプロフィール概要
About The Mcclymonts
The Mcclymonts Official Website

ザ・マックライモンツ豪公式サイト

ザ・マックライモンツ(The McClymonts)は、オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズ州グラフトン出身の3人姉妹、長女ブルック・マーレ・マックライモント(Brooke Maree McClymont、1981年5月16日生まれ)、次女サマンサ・ケイト・マックライモント(Samantha Kate McClymont、1986年1月22日生まれ)、三女モーリー・テレーズ・マックライモント(Mollie Therese McClymont、1987年3月30日生まれ)からなるオーストラリアを拠点に活動するカントリー・デュオ・グループ。リード・ヴォーカルでソングライターでもある長女ブルックのソロ活動(2002年~)を経て、2006年に3人姉妹のデュオ・グループとしてレコード契約。2006年6月にEP盤アルバム『The McClymonts EP』をリリース、2007年11月にスタジオ・デビュー・アルバム『Chaos & Bright Lights』をオーストラリアでリリースしデビュー。

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デビュー・アルバム『Chaos & Bright Lights』はARIAチャート総合アルバムランキングでは第37位が最高位となるも、批評家から高い評価を受け、オーストラリア音楽界最高権威のARIAアワーズ(ARIA Awards)では「最優秀カントリー・アルバム賞」をノミネートされた他、オーストラリアのカントリー・ミュージック界の最高権威でCMAA(Country Music Association of Australia)が主催するゴールデン・ギター賞(正式名称:オーストラリアCMAアワード、Country Music Awards of Australia)では3年連続で賞を受賞、現在売り上げではゴールド・ステータスを獲得しています。

そして今年1月15日にリリースされ今回異例の大反響となっているアルバム『Wrapped Up Good』はその彼女たちの2ndスタジオ・アルバム。他方ザ・マックライモンツは、アメリカ市場を視野に、昨年11月にはシングル『My Life Again』をアメリカでリリース、今年春にはアメリカ盤デビュー・アルバムをリリースする予定で全米デビューに向け本格的に活動を行っています。

ザ・マックライモンツ(The Mcclymonts)
The Mcclymonts’s Biography
ザ・マックライモンツ米公式MySpace

ザ・マックライモンツ米公式MySpace

1. 長女ブルック・マーレ・マックライモントのソロ活動時代(2002年~)

11歳の頃長女ブルックが鏡の前で歌っているのを耳にしたマックライモント家の家政婦が母親に彼女を地元タレント・コンテストに出場するよう提言したのをきっかけに、その地元タレント・コンテストでハート(Heart)の「All I Wanna Do Is Make Love to You」で歌を初めて披露。その後3人姉妹でバンドを組み(約1994年~)、1997年、クイーンズランド州の南東の街ジンピー (Gympie)にある「National Country Music Muster」で演奏していたところ、最大大手レーベルのユニバーサル・ミュージック(Universal Music Australia)に見出され、当時次女と三女が12歳、11歳であったため、17歳だった長女のブルックのみがレコード契約を締結。1999年にはオーストラリア対イギリスのクリケット競技大会でイギリスの国歌「God Save the Queen」(女王陛下万歳)、オーストラリアの国歌「Advance Australia Fair」(前進せよ美しのオーストラリア)を披露しています。

そして2002年6月にロックをベースとしたデビュー・シングル「I Can’t Wait」をリリース(当時21歳)。ARIAチャートの総合シングル部門で49位を記録したこの曲は後にヒラリー・ダフ(Hilary Duff)によりカバーされ、ディズニー・チャンネルの海外人気ドラマ『リジー&Lizzie』(Lizzie McGuire)のサウンドトラックにも収録されています。そして同年11月にはカントリー・ポップがベースの2ndシングル「I Don’t Think, I Know」をリリースしARIAチャート総合シングル部門で最高45位を記録、14週トップ100にランクインしたようです。

もっともアルバムはリリースすることはなく、次女サマンサのデビューシングル「Cookin’ in My Kitchen」(長女ブルック作曲)リリースを経て、2006年2月、ユニバーサル・ミュージックとデュオ・グループとしてレコード契約し、幼い頃から共にバンド活動を続けてきた3人姉妹デュオ・グループ「ザ・マックライモンツ」(The McClymonts)がユニバーサル・ミュージックのもと誕生することになります。

2. EP盤アルバム『The McClymonts EP』~ゴールデン・ギター賞2部門受賞

そして2006年6月、「Something That My Heart Does」含む5曲が収録されたEP盤アルバム『The McClymonts EP』がリリース。ロックやポップのスタイルをベースとしたソロ時代とは異なりカントリー・ミュージック路線へと本格的に転換した本作品は、ジャンルを問わないARIAチャート総合シングル部門では最高位40位を記録するにとどまるも、1stトラックの「Something That My Heart Does」はオーストラリアのカントリー・ミュージックのラジオチャートでは第3位を記録し、この曲で2007年、豪カントリー・ミュージック界の最高権威のゴールデン・ギター賞(オーストラリア・カントリー・ミュージック賞、Country Music Awards of Australia)「最優秀新人賞」「最優秀グループ賞」の2部門で受賞するなど高い評価を受けます。また2ndトラックの「Baby’s Gone Home」では、豪カントリー・ミュージックのラジオチャートで自身初となる第1位を記録。

3. スタジオ・デビュー・アルバム『Chaos and Bright Lights』~ゴールデン・ギター賞2部門受賞

その後2007年2月、デビュー・アルバムのレコーディングのため、カントリー・ミュージックの聖地アメリカのナッシュビルに渡り、キース・アーバンの曲を手がけているモンティ・パウエル(Monty Powell)、ディクシー・チックス(Dixie Chicks)の曲を手がけているエリック・シルバー(Eric Silver)、テイラー・スウィフトの曲を手がけているネイサン・チャップマン(Nathan Chapman)らソングライターと共に楽曲を制作。

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同年11月にリリースされたスタジオ・デビュー・アルバム『Chaos & Bright Lights』はARIAチャート総合アルバム部門では第37位が最高位となりますが、第22回ARIAアワーズ2008では、「最優秀カントリーアルバム賞」でノミネートされ、第36回ゴールデン・ギター賞2008では、そのリード・シングル「Save Yourself」で「最優秀グループ賞」を受賞。また第37回ゴールデン・ギター賞2009では最高賞の「最優秀アルバム賞」で同アルバムがノミネートされた他、3rdシングル「Finally Over Blue」で「最優秀グループ賞」を受賞し、デビュー以来3年連続でゴールデン・ギター賞を受賞しています。さらに今年1月に開催された第38回ゴールデン・ギター賞2010では、「Shotgun」が「最優秀シングル賞」でノミネート。

3姉妹とも楽曲制作に携わり、全編を通じて若い世代の女性の視点から描かれた出会いと別れがテーマとなっている『Chaos and Bright Lights』(混沌と輝く光)と題する本アルバムでは、長女ブルックの奥深くハスキーでパワフルながらどこか郷愁漂い温かく包容力溢れる歌声と姉妹ならではの次女、三女との息の合った美しいハーモニーとが絶妙に調和された魅力ある一枚となっており、ARIAチャートのランキングでは順位こそ伸ばしはしなかったものの、批評家から高い評価を受け、現在ではコールド・ステータスを獲得しています。

※ちなみに第38回ゴールデン・ギター賞2010では本アルバムには収録されていませんが、トロイ・カサー・デリー(Troy Cassar-Daley)とのコラボレーション曲「Ain’t Gonna Change For You」で「最優秀ヴォーカル・コラボレーション賞」を受賞し、現在5度のゴールデン・ギター賞に輝きデビュー以来4年連続受賞となっています。

4. 2ndアルバム『Wrapped Up Good』~ついにARIA総合アルバムチャートで第2位に!

カントリー・ファンや批評家らから高い評価を受けながらもARIAチャートの総合アルバムランキングでは最高37位にとどまったザ・マックライモンツですが、2ndアルバム『Wrapped Up Good』で一気にオーストラリア全土を沸かせる人気を獲得することになります。

2009年はじめ、2ndアルバム制作のため再びアメリカのナッシュビルへ飛びレコーディングを開始。テイラー・スウィフトを手がけたことでも知られているネイサン・チャップマン(Nathan Chapman)とデビューアルバムのアダム・アンダース(Adam Anders)の二人をプロデューサーに、ジャンルを越えた名だたるソングライターを迎え、今年1月にリリースされた2ndアルバム『Wrapped Up Good』は、冒頭にもあるように、本アルバムは豪iTunes総合アルバムチャート第1位を記録した他、ARIAチャート総合アルバムランキングで、自身初となる最高第2位を記録、また「カントリートップ20」部門では、テイラー・スウィフトの『Fearless』を抜き第1位を獲得するなど、オーストラリアのカントリー・ミュージックとしては異例の話題となっています。

エネルギー感溢れるアグレッシブな「Kick It Up」をリード・シングルに、2ndシングル「Wrapped Up Good」では長女ブルックの懐深く力強い歌声を活かしながらもエレクトロなヴォーカルエフェクトを織り交ぜたスピード感ある楽曲に仕上がっており、カントリーをベースに現代の洋楽の主流スタイルを取り込んだ非常に興味深い内容になっています。

テイラー・スウィフトの世界的な飛躍的成功から、カントリーの若い世代の間でもカントリーとポップのクロス・オーバー・スタイルの取り入れた楽曲作りの傾向が強くなり、こうした商業ビジネス的な”流行”傾向については批評家や保守的なカントリー・ファンからは批判の強いのところです。テイラー・スウィフトの著名プロデューサー、ネイサン・チャップマンをプロデューサーとして起用した本アルバムも例外ではないという見方も強く、エレクトロな要素を取り入れた本アルバムタイトル曲「Wrapped Up Good」(#2)が一番人気となっていることからも、こうした事情が今回のARIAチャート総合アルバムランキングで最高第2位という自身初の好成績を収める起爆材になったことは否定できないと言えます。

しかし、ザ・マックライモンツの良さは、何といってもその長女ブルックの力強くもどこか懐かしい田舎の素朴な温かさを彷彿とさせる群を抜く安定した独特のハスキーなヴォーカルと、姉妹ならではのDNAが共鳴する珠玉のハーモニーにあり、たとえエレクトロな要素が加わっても“流行”のスタイルに埋没しない個性を感じさせてくれます。

ジャンルを越えたクロス・オーバー化それ自体も、時代の変化が求める新たな音楽スタイルの構築と共に市場拡大によるカントリーの若い世代への浸透という効果をもたらすもので、新しい風を抜きこむことは必ずしも悪いことではないと個人的には思っていますが、さらに何よりもこのアルバムの魅力は、流行的な要素に終始することなく、長女ブルックの優しく暖かい歌声が光る女性賛歌を謳った「A Woman is a Flame」(#8)や失恋を女性の視点から力強く歌ったバラード・ソング「The Boy Who Cried Love」(#4)、また姉妹ならではの美しいハーモニーが胸を打つ「I Could Be a Cowboy」や「Take It Back」等、EP盤や前作デビュー作でみせたザ・マックライモンツらしい魅力的なカントリー・ソングがぎっしり詰まっていることにあります。

2008 APRA Music Awards

2ndアルバム『Wrapped Up Good』で、ARIAチャート総合アルバムランキングで最高第2位を記録する等、一躍ときのアーティスト・グループとして大きく話題となったザ・マックライモンツですが、こうした背景には、ゴールデン・ギター賞で高い評価を受けてきた実績は勿論、「Wrapped Up Good」や「Kick It Up」で新しい音楽スタイルを取り入れ新たなリスナー層を取り込みつつも、「A Woman is a Flame」、「The Boy Who Cried Love」、「I Could Be a Cowboy」や「Take It Back」のように、手堅くカントリー3姉妹グループとしてのザ・マックライモンツの個性をいかした楽曲を揃え、そのザ・マックライモンツの独特な魅力を新しい形で多様な面から引き出しているところにあるといえそうです。

ちなみにカントリー・ファンでもある私としては、このアルバムの中では「I Could Be a Cowboy」が一番好印象でした!ザ・マックライモンツの曲としてはやはり聞き込んでいるデビュー・アルバムやEP盤収録曲の方が個人的には好きかもしれませんが、このアルバムも聞き込むとまた違った魅力が発見できるかもしれません!

ザ・マックライモンツの海外公式サイト
The McClymonts Official Websites

【ザ・マックライモンツ豪公式サイト】http://www.themcclymonts.net/
【ザ・マックライモンツ豪MySpace公式サイト】http://www.myspace.com/themcclymontsau
【ザ・マックライモンツ米MySpace公式サイト】http://www.myspace.com/themcclymonts
【ザ・マックライモンツYouTube公式チャンネル】http://www.youtube.com/themcclymonts
【GETMUSIC~試聴・視聴~】http://www.getmusic.com.au/artist/default.aspx?aid=12692

ザ・マックライモンツのディスクグラフィー
The Mcclymonts Discography

1. アルバム(オーストラリア)

『The McClymonts EP』(EP盤アルバム、2006.6)ARIA第40位、CMAA2部門受賞
『Chaos and Bright Lights』(デビュー・アルバム、2007.11)ARIA第37位、CMAA2部門受賞
『Wrapped Up Good』(2ndアルバム、2010.1)ARIA第2位

2. シングル(オーストラリア)

『Something That My Heart Does』(2006、アルバム『The McClymonts EP』)
『Baby’s Gone Home』(2007、アルバム『Chaos and Bright Lights』)
『Save Yourself”』(2007、アルバム『Chaos and Bright Lights』)
『My Life Again』(2007、アルバム『Chaos and Bright Lights』)
『Finally Over Blue』(2008、アルバム『Chaos and Bright Lights』)
『Favourite Boyfriend of the Year”』(2008、アルバム『Chaos and Bright Lights』)
『Kick It Up』(2009、アルバム『Wrapped Up Good』)
『Wrapped Up Good』(2009、アルバム『Wrapped Up Good』)

3. アメリカ盤アルバム・シングル

デビュー・シングル『My Life Again』(2009.11)
2ndシングル『Save Yourself』(2010.3)※追記、2010.3.23
デビュー・アルバム『Chaos and Bright Lights』(2010春予定)

ザ・マックライモンツのアルバム購入方法
How to get the Mcclymonts’s CDs

オーストラリア盤は一般に日本でもAmazon.co.jpやHMV JAPAN等で購入できますが、アメリカ盤に比べ約2倍の価格となっているようです。アメリカ盤がリリースされれば、ぐっとお手ごろな価格になりますが、『Wrapped Up Good』の米リリース日は未定ですので「タイム・イズ・マネー!」という方には現時点では直接オーストラリアのオンライン・ショップから取り寄せる方法がオススメです。

日本からCDをお取り寄せできるオーストラリアのオンライン・ストアとしては、豪HMVのオンライン・ストア版「SANITY」と豪大手家電量販店「JB Hi-Fi」等が有名ですが、現時点では「JB Hi-Fi」の方が価格、送料共に安くなっているようです。

「SANITY」
Chaos and Bright Lights』 AU$29.99
Wrapped Up Good』 AU$21.99
※出荷後15日以内、送料は1商品につきAU$7.00(参考例)

「JB Hi-Fi」
Chaos and Bright Lights』 AU$14.99
Wrapped Up Good』 AU$19.99
※出荷後約2~4週間、送料は1商品AU$5.60、2商品AU$6.50(参考例)
※いずれも3月20日現時点での情報です。

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